ひとくちに『分散投資でリスクも分散』と言っても、考え方としてざっくりでも三段階のステップがあります。
投資目的に合わせて、まずはアセットアロケーション(資産配分)を検討します。
・株式 ○○%
・債券 ○○%
・商品・不動産○○%
こんなイメージのものです。
自分の投資資金をどういう資産カテゴリに割り振るかがいわば「分散投資の前準備」くらいの話です。
・生活資金他、必要な資金別にあるのでミドルリスク、ミドルリターンで資産の最大化を狙う
⇒株式100%という選択肢もありうると思います。
・既にだいぶ年齢も重ねており、そこまでリスクは取れないが、銀行で遊ばせておくのはもったいない ⇒債券寄りの配分になると思います。ローリスク、ローリターンで暴騰もない分、暴落にも強いという特徴
・商品は不動産は、考え方にもよると思いますが、「さらに余剰資金での運用」というイメージは
強いですね。株式や債券とはまた別の知識、勉強が必要となります。
もう少し話し始めてしまってますが、改めて「分散投資とは??」というのを一緒に見て行ってみましょう。
◆そもそも分散投資とは? メリット・デメリット
分散投資のメリット
・個別特有の事情による(事件や不祥事など)、突発的な相場の急変を和らげられる可能性が高い
・仮に個別株1社に投資をしていて、その企業が突如倒産をすれば「株式はゼロ円」になってしまうが、50社に均等配分をしていたとすると、仮に1社倒産してもポートフォリオへの影響は2%となる。
・長期投資をするには、分散して安心材料を増やすのが定石
デメリット
・暴落をしにくい反面、大きなリターンも得られにくい
・「市場全体」へ影響があるイベント(金融ショックなど)には、どれだけ分散しても
その市場の銘柄全体に影響が出るので免れられない
まとめると、
「短期集中!一攫千金」を目指す場合は、分散なんてしている場合ではないですが、ほとんどのヒトにとっては、「少しでもリスクを減らして、着実にリターンを重ねる」ということを目的とするのでしょうから、そういう場合は十分に分散投資の意義があります。
◆①投資先の国・地域を分散する
分散投資を検討する際には、まずは「どこの国へ投資をするか」という検討が必要になります。
「日本100%!」というのは、「円のインフレリスク」に対応ができないので、分散という意味ではあまりイケていません。
分散先および、配分については、一つの考え方として、「各国・地域の経済規模に準ずる」というものがあります。
例えば、VT(バンガード・トータル・ワールドストックETF)というETF(上場投資信託)の商品では、これ1本で新興国を含む世界47か国の株式へ投資ができますが、中身の構成比率は以下のようになっています。
北米 46%
欧州 26%
太平洋諸国 13%
新興国 12%
全世界の投資可能な市場時価総額の90%以上をカバーし、約2900銘柄で構成されています。
いろいろなファンドや投信、ETFがありますが、だいたい米国が50~60%程度含まれるような構成です。投資対象国の参考にしてみましょう。
ちなみにワタシは「米国:その他先進国:日本」=「8:1:1」くらいに寄せて運用しています。
◆②投資先銘柄を分散する
次に、「銘柄を分散する」ということを検討します。
大量に資金がある場合は、「個別株をたくさん買い揃える」こともできますが、いいETFや投資信託がある場合は、それだけで少額から相当数に分散が可能になりますので、まずここまでで「資産クラス」と「投資先国・地域」が決まったらその先でいい投資信託やETFがないかまず探してみるといいでしょう。
例えば、米国ETFで代表的なものを例示すると以下のようなものがあります。
◆S&P500 指数連動(500社分散)関連
ステートストリート SPY 最も歴史が古い 長期リターン7%超 経費0.09%
運用総額1位の約30兆円
ブラックロック IVV 経費0.03% 運用総額2位
バンガード VOO 最後発だが、経費0.03% 運用総額3位
・・・
・QQQ インベスコ・ナスダック100ETF 運用総額5位
・VTI バンガード・トータルストックマーケットETF 運用総額4位
中小型株も含めた3500銘柄 分散性を重視 全米へ投資
配当利回り、経費、リターンもVOOとほとんど変わらない
・AGG トリプルAの債券ばかり、7000件以上に分散したETF 運用総額6位
ETFの直接購入がちょっと敷居が高いな、、と思ったら、上記のような指数に連動した国内投資信託も楽天証券やSBI証券でも購入可能ですので、そちらも参照してみてください。
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ワタシは、投資信託と高配当系ETFなどの物色に利用しています。
売買アプリの使い勝手と楽天銀行との「自動スイープ」設定も便利ですね。
楽天銀行もランクが上がれば「他行振り込みゼロ円」の回数を増やせるので「キャッシュポジション置き場」にしておけて機動的です。
◆③時間を分散 =投資タイミングの分散
最後がこれです、『時間の分散』。
最終的にこれを間違える(勘違いする)ヒトが結構見えるので考え方をおさらいしておきましょう。
ここは言い換えれば、『ドルコスト平均法』の考え方そのものの部分ですね。
今まで一生懸命貯めてきた資金を、ある日『このファンドが一番いいらしい!!』と、どんと全部一度に突っ込んでしまうと、そんな時に限って、「翌月からドンドン値下がり、、」なんてことが起きて、さらに「狼狽・パニック売り」、そしてその後に「急反発!」みたいなことがもうほんとによくあります。(泣笑)
今の値段が「高いのか」「安いのか」は、事実としては『誰にもわかりません』。
ただ、「買わなければ始まらない」というのも一方で事実ですので、折衷案として「資金を半分使って買う」「資金の1/◎ずつ毎月購入」などの方法を最初は取ります。
もちろん、たまたま「一度に全部買っておけば一番儲かったのに!」ということもありますが、「逆も然り」と心得て、この【時間を分散する】という自分の逸る気持ちとも戦う分散手法をぜひ身に付けて、「長期間生き残れる投資家」になりましょう。
◆まとめ
【長期投資の心得として】
①国、地域を分散しましょう
②投資先銘柄を分散しましょう
③時間も分散しましょう
というお話をしてきました。
これらはすべて、『リスク低減の手法』ですので、反面として『リターン低減の手法』でもあります。
自身の投資目的と照らし合わせて、納得のいくポートフォリオの作り込みをしていきましょう!