全くの投資初心者の人に、心理的な壁となる一つがこの【チャート分析】かと思います。
結局的には投資・相場は、上がっても下がっても
『うん、そんなもんだ』
冷静にそう思えるくらいが、投資マインドとしてはちょうどいいですが、そもそもチャートがある程度読めないと、落ち着きようもないと思います。
チャートは【相場参加者の世界の総意】であり、答えそのものなので、これを少しでも読めるようになって、ぜひ相場の世界を堪能していきましょう。
本記事では、全くのゼロからでも学べるように、基礎からやや応用くらいまでの頻出パターンを網羅していますので、がんばってぜひ最後までお付き合いくださいませ!
◆鉄則1 トレンド方向をまず見極めよ 大局は上か?下か?
まずは、どんな投資・トレードをするにしても、「月足(長期足)」から眺めて、現在は【上昇トレンド】なのか【下降トレンド】なのかを見極めるところから始めてみましょう。
日足や4時間、1時間などの短い時間軸ではわかりにくかったトレンドも、長期足だとはっきり傾向が出ているという場合がほとんどです。
これが読めるようになると、こういうことができるようになります。
月足 ◎超長期の上昇トレンド
週足 ◎上昇トレンド
日足 ▲下落気味
4時間 〇小反発
1時間 △持ち合い?
例えば、とあるチャートでこんな状況を見つけたとすると、
「長期足のトレンド否定がされない限りは上目線だから、少なくともサポートラインでは反発しそうだな?」
というのが『シナリオ1』として想像できるようになります。
一つ注意としては、チャート分析は頻出パターンを見つけることによって、その後を「想像する」ことはできますが、『唯一の正解(必ず上がる、必ず下がる)』を見つけられるものではないというは点は忘れてはなりません。
自信満々で
『これは上の違いない!!』
とエントリーした時に限って、大逆行したりするのは「あるある」です。
ですが、こういう「エントリー根拠」を明確にしておくことで、「損切のタイミング」も間違えにくくなりますので、被害は最小限に抑えることができます。
また、時間軸の長い上位足のトレンドが、下位足のトレンドより優先されるというのは大原則なので、これも覚えておきましょう。
◆鉄則2 まずは、意識されている【水平線】を見つけよう
チャート分析は、いろいろとややこしい解説があふれていますが、実はすべきことは以下の一つです。
「意味のある(大多数に意識をされる)レジスタンス・サポートラインを見つけられるか」
に尽きるということです。
何度も意識される【強いライン】を見つけられるようになるとだいぶ分析がはかどります!
ラインの強さとは、
・上から来ても、下から来ても『とにかく跳ね返す』
・うっかり一度ブレイクされても、『さらに跳ね返す』
というような、なんでもかんでも跳ね返す「リフレク」的な強さを言います。
◇直近の高値、安値は意識されやすい
例えば一度下落をして、再上昇をしてきた場合、この
「直近(すぐ近くにある)の高値を超えられるかどうか」
はよく意識されるポイントです。
この時、その直近高値を無事に超えていった場合は、
「その次の高値」
が今度は意識されるようになります。
このように順番に中ボスのように現れるのが【直近高値の壁】です。
ちなみに、ライン引きをする際に「ローソク足の【ヒゲ】はどう扱うか?」問題は頻出ですが、ワタシの場合は『全部無視』です。ローソク足の実体部分(その足の始値と終値を結んだ部分)を基準にライン引きをしていきます。
◇「キリ番」「ゼロキリ番」は意識されやすい
次に意識されやすいのが、たまに登場する「キリ番」「ゼロキリ番」と呼ばれるものです。
ほとんどのヒトが「十進法」の世界で生きているので、どうしても「0」はキリがよく非常に意識がされやすいという特徴があります。
・85.0ドル
・1.000ドル
・4,000ポイント
などのキリがいい数値なので、これ自体は非常に見つけやすいと思います。
◇頼りになるテクニカル指標【ピボット】
チャートツールにはいろいろな「テクニカル指標」が表示できるように搭載されていて、「結局どれを使えばいいの?」というヒトも多いかと思います。
ちなみに、「長期投資・積立投資」スタイルのヒトは、ほぼテクニカル指標は不要と思います。
世の中には本当にたくさんのテクニカル指標がありますが、これも突き詰めると
「大多数のヒトが見ている(意識している)メジャーな指標」
が有効であると言えます。
ワタシの見ているのは「ピボット」「ボリンジャーバンド」「SMA」「MACD」「RSI」「出来高」
くらいの指標です。これはそれぞれに特徴があるので、好みが分かれる部分でもありますが、おすすめの一つとして「ピボット」をここではご紹介します。
ピボットには、デイリー、ウィークリーとありますので、自分のトレードスタイルに合わせて選ぶようにします。
【トレーディングビューTradingView】だと、一発で表示ができるのでやはり便利です。
P:基本線、ピボットポイント 前日の高値・安値・終値から算出される
R1~R5:レジスタンスライン ほぼ、R3までで止まる
S1~S5:サポートライン こちらもS3まででほぼ決着する
ちなみに、各ラインは突破(ブレイク)されるごとにその他のトレンドラインと同様に「レジサポ転換」して機能をするようになります。
※S1をブレイク⇒S1は「レジスタンスライン」として以後機能する など
◆鉄則3 上昇・下落は【ななめのトレンドライン】で引いてみよう
基本的な水平線が認識できたら、次は【トレンドライン(斜めの線)】を引いてみましょう!
突き詰めれば、チャート分析は「上がるか下がるか」しかなく、それを知りたいがためにやるものなので、斜めのトレンドラインをいかに正確に引けるかが勝負とも言えます。
◇上位足から順に、目立つトレンドラインを引いてみる
以下は「米ドル円」の月足チャートです。
まず最初は、適当にでもいいので、「上昇のサポートライン」「下降のレジスタンスライン」を引いてみましょう。
上の画像でいくと黄色い線がサポートライン、赤い線がレジスタンスラインです。
ラインの引き方のコツとしては、
「意識された(反発した)回数が多ければ多いほど強いライン」
なので、まずはこういうラインがどこに引けそうかを探してみましょう。
ライン引きももちろん、「上位足が最優先」なので、月足から見ていくようにしましょう。
長期足の方が、はっきりとしてトレンドが出ている場合が多いので、ライン引き自体もはかどると思います。
◇自分のトレードスタイルに合わせて、下位足へブレイクダウンする
「FX自動売買」のような、長期で大局の相場観に合わせて取引をするような際には、長期足の分析くらいで十分ですが、デイトレードやスイングトレード(3日~1週間単位くらいの長さ)のようなトレードをする際には、下位足の状況を見る必要があります。
見方自体は、上位足でも下位足でも変わりませんので、根気よくチャートを眺めていきましょう。
時間足を変えてみることによって、はっきりパターンがでてくるということもありますので、一つチャートを見て「傾向がよくわからないな?」という場合にも、時間軸を変えてみるのは一つの策となります。
◆鉄則4 頻出チャートパターン 4つを探してみよう
チャートの上下運動の転換点にいろいろなパターンが出現します。
それぞれのパターンの特徴をみていきましょう。
◇三角持ち合い
ちょうど先に例示した米ドル円のチャートの赤い線と黄色い線がこの「三角持ち合い」になっていますね。
上値がだんだん切り下げられ、下値がだんだんと切り上げられてきて、最終的に上か下かへブレイクします。
特徴としては、「締め切り(どちらかへブレイクするタイミング)が決まっている」と言うのが最大の点と言えます。
◇ボックス持ち合い(ボックスレンジ)
三角持ち合いと同じくレンジ相場の一つとなりますが、こちらは「上値切り下げも、下値きり上げも起こらずに、ほぼ水平に平行移動レンジを続けていく」という、「いつ終わるの?」というちょっと厄介な相場です。
相場においては、永遠に買われ続ける(価格上昇)、永遠に売られ続ける(価格下落)という事は起きず、基本的には、買われたものは売られないと再度買われる余力がなくなっていくし、逆もまた然りということで、このような「調整期間」というものが発生します。
調整期間には【値幅調整】=値段の暴騰落等で調整が進む というものと【時間調整】=時間をかけてゆっくりポジション整理や新規参入者等を得て調整が進むというのと2パターンがありますが、このレンジ相場がだらだらと長引くのは後者の【時間調整】の方に分類されます。
◇三尊・逆三尊(ヘッドアンドショルダー)
今度は、こちらは「豪ドル円」の週足チャートです。
右側で赤と緑の帯で囲っている部分がちょうど【逆三尊】が出ているところです。
下向きの三つこぶの、真ん中の山が突き出ている感じですね。
ちなみに各こぶの根元を結んだラインを「ネックライン」と言いますが、逆三尊を形成後に順当にこのネックラインをブレイクしていくと、真ん中のこぶと同等の値幅の上昇が期待できると言われています。
画像のチャートはまさに、テッパンな上昇トレンド中ですね!
尚、【三尊】はこれの真反対の状況をいいます。つまり、高値圏での下落サインとして出現をするという事ですね。
◇ダブルトップ・ダブルボトム
こちらは、三尊や逆三尊のように三回も安値や高値をチャレンジしにいかないで、2回同じ価格にチャレンジして跳ね返されてくる症状を言います。
まったく同じ水平線で仲良く跳ね返されてくることもありますが、よくあるパターンとしては、高値圏では、「高値切り下げ気味なダブルトップ」、安値圏では「安値切り上げ気味なダブルボトム」というのの方が頻出する気がします。
短期足ほどよく出やすい形なので、探してみましょう!
◆鉄則5 ラインブレイクの初動は見送れ!【ブレイクワンタッチ】の法則
ここでまた米ドル円の長期チャートを見てみましょう。
黄色いサポートラインを進んでいって、赤いレジスタンスラインと交差する直前で一度ブレイクし、その後に一回黄色いラインに戻ってきているのがわかります。
こういう、「ラインブレイク後に一度値を戻してから再反転する=ブレイクワンタッチ」という現象が結構頻発します。
これは、
「今までレジスタンスラインとして機能していたのが、サポートに転換したよ(レジサポ転換)」
をリアルに確認しに行っているようなものなので、この現象を確認できると、非常に気持ちよくエントリーができるようになります。
当然、短期足では特に【だまし】も発生するので『裏目に出たらどうするか』はエントリー時点では常に想定が必要です。
さらに細かいですが、上のチャートの右端では、また赤いレジスタンスラインをブレイクしたあとに一度戻ってきている状況が見て取れますでしょうか。
ここでしっかり反発してくれると、「また上昇トレンドに乗ったな!?」と確信へ近づけるという具合にこの現象を利用します。
◆鉄則6 相関率の高い連動チャートも見比べてみよう
ここまでは、一つの相場チャートの深堀の仕方は書いてきましたが、実際のトレードにおいては、これを相関性の高い複数のチャートで同じように「上目線?」「下目線?」と繰り返して重ね合わせて判断することによって、より相場読みの確度を上げるという作業をします。
例えば、【豪ドル円】のFX裁量取引をする場合であれば、以下のようなチャートをワタシは見ています。
・豪ドル円
・豪ドル米ドル
・ドル円
・米株価(ダウ、S&P、ナスダック)
・米長期金利(10年国債)
・原油
・金
・(たまに)人民元
いずれも、豪ドル円という相場に対して直接的、間接的に影響を与える指標になります。
こうした相関性は、高くなったり、低くなったりを繰り返すので、それこそ長らく一緒に眺め続けることで肌感が養われてきますので、気長にやりましょう!(笑)
相関性を見るのにも【トレーディングビュー】で合成チャートを作れるので、明確に出すこともできはしますが、ワタシはそこまでは「めんどくさくてやってません!(笑)」
もっと言えば、チャート以外に
・ファンダメンタルズ(中央銀行の政策発表、各国GDP成長率・失業率など重要指標発表、など)
・投機筋のポジショニング、実需勢(為替における輸出業者など)の季節需要
など、踏まえると有利になる情報はいくらでもたくさんあります。
このあたりは、もう本当に「気長にやるしかない」な世界なので、一緒に気長に勉強していきましょう!(笑)
◆まとめ とにかくまずは『数をこなして慣れましょう』
いろいろなポイントを挙げてきましたが、もっと精細なトレードをしたいというヒトはもっとたくさんの指標を使いこなすことで勝率を上げられる可能性がありますし、逆に先述の通り「長期積立投資」のようなスタイルの投資には、ここまでのチャート分析は不要だったりします。
いずれにせよ、まったくチャートが読めないというのでは、いざという時の寄りべもなくなってしまうので、平時のうちに、少しでもチャート分析の心得はつけておくのがオススメです。
ワタシもまだまだ勉強中です。
Twitterの方では、リアルタイムチャート分析のツイートもしていますので良かったらフォローください!
一緒に勉強、がんばりましょう!!
【おまけ】初心者も経験者も『みんなのFX』の口座開設をしておいた方がいい理由
ワタシもFXだけでもたくさん、口座開設して試していますが、【みんなのFX】の取引ツールが秀逸なので、無料口座開設だけでも価値あります。
中でも、『通貨強弱』のリアルタイムチャートがツールに標準装備と言うのは、なかなかないです!
ここまで、いろいろとチャートの見方を解説してきましたが、やっぱり
「結局、今どうなってるのかよくわからん!」
みたいなことって、よくあります。(笑)
そこで見たいのがこの『通貨強弱』ツールです。いちいち、DXYドルインデックスなどの指数や通貨ペアの相関性やらこねくり回して見回さなくても、各主要通貨単独のその日の強弱推移が一目瞭然でわかります!
しかも、『本日』『前営業日』『一週間』『一か月』『一年』『10年』と期間を変更指定して表示できるという親切仕様!(笑)
また、初心者にとってはおなじみの『1000通貨取引可能』という点がいいですね!
さあ、口座開設はもちろん無料です。まだ開設してないという方はぜひ、試してみてくださいね。