◆正義とは「ポジショントーク」である
いきなり平べったい結論を出しましたが、結論としてはこういうことです。
「ポジショントーク」=その人の【立場】に強く起因した発言
・自分は間違っていない
・○○が間違っている、元凶である
いわゆるポジショントークというと、「発言者の立場を利する発言」という意味合いで使われるケースが多いと思いますが、突き詰めてしまえば、この世の誰もが何らかの【立場】にあるわけなので、全員がポジショントークをしていると言えます。
なので、ポジショントークだからいい、悪いという議論はちょっと不毛だと言わざるを得ません。
だって、そもそも甲乙つけがたいお話ですから。
ここでもし、
「あいつの言っていることははポジショントークに過ぎない」
「気にかける必要もない」
などと侮り、【無策を晒す】というポジションを自分が取ってしまえば、その後に際限なく蹂躙されたとしても文句のつけようもありません。
なぜなら、既に「不戦敗」を自分が選択してしまっているからです。
・大きな声で何か言っている
・なんだかもっともらしいことを言ってる奴がいる
視界に入ったら、『相手の利点、メリット、正義とは何か??』を考えてみる訓練をしてみれば、だんだんと周囲と自分との【相対的位置関係】を認識できるようになり、また、自分の目指すポジションも明確にしやすくなると思います。
ぜひ、一歩踏み込んだ対策をしたいものです。
◆正義とは「相対的」である
前節で書いているように、ポジションとは「相対的」であり、100人いれば100通りの事情や立場があります。言い換えれば、「自分の信じる正義」も「アナタの立場における最善と思われる判断」に過ぎないと言えます。
それがいい、悪いではなく「そういうものだ」とまず認識してみましょう。
「相手の立場に立って物事を考える、発言をする」というような『共感系』のフレーズがありますが、そもそも「共感ってなんだ?問題」が発生することもよくあります。
ここでは、「共感」と「同調」は【似て非なるもの】という認識からスタートすると理解しやすいと思います。
【同調】
・相手のいう事、なすことに調子を合わせること。同じ意見、態度になること。
【共感】
・相手の考えや主張を「理解」し、その上で賛同の意を伝えること
このように、「共感」とはまず相手の「理解」から始めなくてはなりません。
この理解を促進するのに、これまで書いてきた「ポジションを見極める」というのが、有効なケースがたくさんあります。
【ポジションの読解法】
①相手の「立場」をより正確に把握する
②相手の主張・発言における『メリット』は何か?を見極める
③自分のポジションとすり合わせた場合に、【共存可能か】【共栄可能か】を判断する
この3段活用がまずはわかりやすいかと思います。
ヒトがポジションを取るとき、そこには意識的にせよ、無意識的にせよ、【目指す目的・ゴール】が存在すると想定します。
誰もが打算的、というような話と言うよりも、「誰しも何かの【欲求】によって行動している」
という理解をするのが早いと思います。
まとめれば、「同調」だけでは、状況に流されているだけなのでアナタの思うような結果は当然得られないですし、「相手のポジションの理解」を意識していない場合は、分かり合えないのでそれこそ最終的に「対立」「相反」な関係になってしまう可能性の方が高くなります。
つまり、この時点で真の勝利を目指すには【共感】が最大のキーワードとなります。
◆正義とは、「信念」に注がれるエネルギー源
人間は迷いがない行動を取れるようになると、ものすごい行動力を発揮できます。
「一心不乱」とはまさにそんな状態ではないでしょうか。
正義には、「自分にとっての正解を理解している」=「迷いのない状態」という側面もあり、行動力を発揮するにはうってつけと言えます。
なんとなく思っていた自分の正義=正しさについて、より強い「他人の正義」に押し流されるようなことが誰しも経験があるのではないでしょうか。
最終的には、行動はどんなに捏ねられた理屈よりも「想い」=「感情」に左右をされるので、こういう「思わぬ敗退」が起きえます。
◆(おまけ)投資で「ポジション」を取る勇気とは
最期に「投資におけるポジション取り」についても言及してみます。
投資においても「ポジションを取る」という言葉があります。
【ポジション】
株式や為替、金融商品などを「買う」「売る(空売り)」などして新規取引をして
その現物や権利を保有すること。
ex.ドル円を「108円」で「10,000通貨(1万ドル)」を「新規買い」 など
この、「新規ポジションを取る」というのも、なかなかの勇気が必要な行為です。
なにせ、ポジションを取った後に上がるか下がるかは、この世の誰も知りません。
なので、ここでもアナタの【勇気】が試されます。
ただ、ここで勇気と『蛮勇』も違うという事も同時に思い知らされます。
・基本的な経済ファンダメンタルズの勉強
・投資商品ごと特有のメリット、デメリットなどの特徴の勉強
・実際の投資経験に基づく自身のメンタル経験値
・チャートを解析するテクニカル分析
など、それこそ際限のない「勉強」が必要になってきます。いつまで経っても「絶対の自信」などつくはずもなく、逆にそうだということを前提とした立ち回りが求められます。
ここで、リスク・リターン勘定と自身の行動指針のバランス感が問われます。
絶対的な指標がないならば、【自分】を信じて行動するしかないのです。
そして、意識的にも無意識的にも【自分を信じる・頼る】ということは、投資以外では、よくよくなされています。それこそ、日常的なあらゆる行動が『自分の選択した結果』です。
さて、今これを読んで頂いているアナタは『投資』だけ、別個に格別に考えていないでしょうか?
雨が降るかもしれないから外出をしない、事故にあうかもしれないから車にも乗らない、
逆にも、平気で時速180㎞でぶっ飛ばす、通行禁止の看板を無視して突撃する、
日常で考えるとすぐにおかしいと思えることでも、投資、もっと言えばお金が絡むとおかしな行動を選択していないでしょうか。
まだ、投資もまったく未経験と言う方は、まずは「少額」ででもチャレンジをして【体感】してみることをおすすめします。やってみないと分からないということは、往々にしてあります。
ワタシ自身への訓戒でもありますが、いつまでも『チャレンジ精神』というものは忘れたくないものです。