SDGsという言葉と、あの象徴的なマークについて、普通にTVとかでも見かけるようになりましたね。
しかし、いろいろな企業のHP等を見たり、その取り組み方を見ていても、
「なんか捉え方がおかしいんでは?」
というのが透けている会社をよく見かけます。
誤解したまま放置して、何も対策をしない企業は、恐るべきチャンスロスとリスク放置をしていると言えます。
まだ間に合うかもしれません、ここで誤解を解いて、「すべきこと」をしっかり考え直してみましょう。
⇒この記事で語ること
・SDGsのよくある誤解
・SDGsのめざすところと、向き合い方
・これからアナタがすべきこと
◆SDGsのよくある誤解・曲解
う~ん、これとこれ?ですかねぇ。。
じゃあ、とりあえずそのマーク貼り付けて、広報しとこう!
たしかにどんな企業にも、それまでにも「社会の中での位置づけ・果たしてきた役割」があったからこそ、企業として存続してこられたのですが、各企業に限らず、『今のままでは足りない』からこそ、求めるべきゴールとして設定されたのが【SDGs】なのです。
なので、
とりあえず、あり姿で、見せ方だけSDGsにしとけばOK?
みたいな「取ってつけた」考え方では、するりとまるごとSDGsの本質が抜け落ちています。
SDGsの考え方=バックキャスティング方式
とにかく、みんなの【理想のゴール】を話し合って決めてみました。
これを2030年までに、みんなで切磋琢磨協力し合って、なんとか達成をしましょう!
という考え方が採用されています。
※現状から目標を積み上げていくやり方を「フォアキャスティング方式」と言います。
まず『目的=ゴール』だけが決まっており、『手段=何をすべき』は誰からも明確には語られていないのがSDGsです。
しかし、「誰も教えてくれなかった」では、済みません。
「自分自身で」考えて、「着実に行動を重ねなくては」ならないのがSDGsなのです。
◆そもそも社会問題が【問題】なわけ
SDGsは言い換えれば、「社会問題」と言えます。
ではそもそも、なぜ「社会問題」は「問題」となってしまうのでしょうか。
まず、「明確な責任者がいない」という特徴があります。
なので、認識も理解も進みません。そして、思考停止・他人任せが始まります。
そうして、誰も行動をせず、そしてその事実にもフォーカスされません。
これが繰り返されて、負のスパイラルとして延々と問題は未解決のまま肥大化していきます。
この負のスパイラルを断ち切るには、【行動】を起こす必要があるのです。
◆『SDGs』が目指すもの
答えを、日本語一言で言ってしまえば【共存共栄】と言えます。
ここでは、その具体内容以前に、こういう明確なゴールが表現された、ということがまず重要です。
17のゴールは、世界が協力して導き出した『人類が求める答え』と言えます。
言い換えれば、【世界の、人類の本質的ニーズ】な訳です。
普通、企業が営業活動をするのには、多大なマーケティングコストを支払って顧客の潜在ニーズを探ったり、手当たり次第にマスマーケティングをしかけたり、人海戦術で手当たり次第に営業マンが走り回ったりと、売るための【膨大な努力・コスト】を費やしているのですが、今回このSDGsでは、
そんな誰もが求めていた【世界の需要・ニーズ】が明らかになったわけです。
目標が明確になったからには、時間のかかり方はともあれ、世界はその方向へと自然と流れていくと考えられます。
SDGsを見て、『機と捉えられない』『適当に流す』という選択肢を選ぶのは、まずはこの【明確な世界のニーズ】を見送り三振していることに他なりません。
投資家の間では、既に『ESG投資』が、メジャーなテーマになっています。
E= Environment 環境
S= Social 社会
G= Governance 統治(経済)
17ゴールを3つのカテゴリにまとめ直した言葉です。
既に世界では31兆ドル以上の資金がESGというテーマへ流れ、なお増え続けています。
日本においても、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)を始め、多くの投資機関がESGの積極的な評価と推進をしています。
株式市場などは先行指数として、いち早く動きますが、この話は上場企業などに限られる話ではありません。
世間一般としては、もっともこのSDGsへの感度が高いのは、ミレニアル世代ともいわれる、いわゆる【若者世代】と言われています。
若者が、『次代を担う人材』であることは言うまでもないと思いますが、そんな若者に支持をされない経営を続ける企業に果たして未来はあるのでしょうか?
更に指摘をすれば、このSDGsの15年目標が始まる前の15年間は「MDGs(ミレニアム開発目標)」
というものがありました。このMDGsの主な目的は「いわゆる途上国の開発支援」でしたが、これが拡大発展して引き継がれる形で生まれたのがSDGsです。
そして、このSDGsには、17のゴールの元に、ゴールを更に具体化した「169のターゲット」、更にその達成具合を図るための「232のインジケーター(数値指標)」というものがあります。
なお、このインジケーターの具体数値はまだ協議中であり、設定目標が2030年だそうです。
つまり、「この流れは、15年単位で今後も引き継がれ、続いていく」と考えられます。
一時の流行りやブームなどではないというのが、感じ取れて来ましたか?
◆SDGs 取り組み方を考えて具体化するには
さて、ここまで読んできて
『やばい、何もやってない!すぐ手を打たなくちゃ!』
と、思えたのであればすぐにでも行動あるのみですが、では、いざ「具体的に行動しよう」としたときにどんな点に注目をすべきかを例示してみます。
①ゴールとターゲットの全文をまず読み直す
ゴールだけ読んでいても「なぜそれがゴールなのか?日本にも関係あるのか?」がおそらくよくわからないでしょう。
なので、文字数多くて最初は大変だと思いますが、「169のターゲット」の方も一度目を通してみましょう。具体化されているのでだいぶ理解が進みます。
②自社の活動、取り組みをまず「ESG」という3つの視点で見直してみる
SDGsは17のゴールが互いに相関性を備えています。
どれか一部のゴールが突出して達成されることを良しとしておらず、「ゴール間でバランスが取られていること」が望まれているのです。
このとき、いきなり17個すべてを踏まえて思考をするのはさすがに大変ですので、まずは3つの視点「ESG(環境、社会、経済)」から見直してみましょう。
例えば、「よし、ガンガン経済発展だ!」と環境を顧みない開発が進んでしまうことが支持されないのはわかると思いますし、逆に「環境保護を第一に!」とボランティア活動などに邁進して、収入や売上が極端に乏しくなるのも「持続可能性」があるとは言えません。
このSDGsを取り組む際の合言葉は
『それ、ずっと続けられますか?』
これですね。
◆まとめ
膨大かつ広大なテーマである、【SDGs】ですが、一つずつ紐解いていけばどういう立場の誰にでも関連があり、そして誰にでも取り組みが可能と理解ができると思います。
本質的なキーワードとして、敢えてワタシが二つ挙げるとしたら、
【持続可能性】【共存共栄】
ですね。
大きいキーワードで俯瞰し、ゴール・ターゲットと深堀を進めて理解を深め、また大きなキーワードに戻って点検をする。
そうした「ズームイン・ズームアウト思考」で、すべき行動を具体化し、自分や自社の進むべき道をしっかりと【行動】を通じて歩んでいきましょう!
うちの会社は、17ゴールのどれに当てはまるんだ?