先日公開をした下記の記事、『Pのテンプレ』に引き続いての今回は待望の続編!(笑)
「PDCAのD=営業実践」編です。
法人向けセールス活動においては、SFA(セールスフォースオートメーション)のシステムもたくさん出ていますが、いずれのソフトも「短し長し」という感じでなかなか芯を捉えたものがないので、ワタシは以下のような考え方に基づいてだいたいが「手作り管理」で全体設計をしていました。
BtoBサービスを取り扱う企業であれば、何かしらのSFAやCRMのアプリケーションを既に利用しているケースも多いと思いますが、基本思想はこの記事から習得をしてもらい、今ある仕組みをうまく「再生」してあげたらいいと思います。
◆【セールスステップ】を想定して設計する
セールスステップとは?
文字通り、初回アプローチから成約までを【段階的に】捉えて管理します。
商材や売り込み先、価格帯によってもこのステップは変わってはきますが、例えば以下のようなパターンがあると思います。
①ファーストアプローチ
DM、テレアポ、Web広告、ポスティング、折込 etc.
②初回訪問
③仕様、予算協議
④詳細提案・見積提示
⑤受注
中身はいろいろな区切り方があるとは思いますが、自社の状況と商材に合わせて適切に項目をカスタマイズして管理しましょう。
この時のポイントとしては、各ステップの【歩留まり率】を想定でも設定をしておくことです。
そうすると、「何件アプローチしたら、何件受注できる」という営業予算を作成することができます。
この歩留まり率のヨミが、アナタの腕の見せ所です!(笑)
◆行動量を数値管理をする(記録をつける)
特に初回アプローチ~案件発掘までは、『定量的に』淡々と一定の作業をこなして
進めていきます。この場合も、やみくもに、感覚だけでやっていても『改善』が
後でできないので、しっかり「意味ある記録」を取っていきましょう。
【DMアプローチ】
仮にDMを発送して、リアクション営業をしよう!と設計をした場合、質と量から初期想定をしておきます。
【質】=送る文面・レイアウト、提案した内容、送った先(送付リストの属性)
【量】=送付量
送った量はさすがにすぐわかると思いますが、「リアクション」については扱いがテキトーなケースが多いと思います。しっかり数値管理しましょう。
文面が例えば「セミナー集客」であれば、【申込数】で管理をすればいいですが、「直接販売」であれば、いきなり買わないまでも問い合わせがあったという内容もなんとかして拾い集めましょう。
データはなぜ集めるかと言えば、ひとえに【次なる改善のため】です。
【テレアポでのアプローチ】
こちらでも基本的には【質】×【量】で進捗把握をするようにします。
【質】=リスト、トークスクリプト(電話台本)、訴求点、声量・声質、対話態度 etc.
【量】=一日の架電量、再コール量
電話アプローチでも、丸一日講義ができるほど話す内容はありますが(笑)、基本的には上に書いたような点で管理をしていきます。
◆訪問先・商談先の案件管理をする
【初回コンタクトで商談成否がわかるパターン】
何度も通って初段をするようなパターンではない商材(価格も仕様決まっており、その場で申込書を書いてもらうようなもの)の場合、案件管理とは、『売れた理由』『売れなかった理由』の記録です。
記録を取っていくとパターンは【必ず】見出せます。
「パターンがあることくらいわかってるよ!?」と聞こえてきましたが、では、『パターンごとの数値分布』は正確に把握できていますか?
また、そのような分布になった理由、原因はなぜかを分析できていますか?
次にすべきことは何か、確信できていますか?
これらが自明的にでもわかるまで、記録は集めましょう。
【高額商材、仕様や価格商談を重ねるようなパターンの場合】
一回の訪問等での売り切り商材でなく、何度も提案訪問等の商談を繰り返すパターンで売るような商材については、案件を「進捗度」と「想定売り上げ」という切り口でランク付けをしていきます。
A=オールクリア・契約書待ち
B=仕様・予算クリア、内示あり
C=仕様クリア、見積・予算協議中
D=ニーズあり、予算無し
E=ターゲット外、ノーフォロー
例えば、各商談中の案件に上のような商談ランクをつけ、さらに「見積額」ないし「見込み額」と
受注時期を入れておくと、【ランク別受注額想定】が出来上がります。
そのランクを見れば、今が「今期は予算達成しそう」「案件数がそもそも足りない。。」など、営業活動状況の分析が可能になります。
何かしらのSFAを既に使っていれば、このような機能はだいたいついてはいると思いますが、上記の考え方に沿って、ちゃんと使いこなせているか、そもそも考え方がなんだかずれていないか検証してみるといいでしょう。
また、「そんなシステム、何にも使ってないよ!?」という場合では、エクセルでピボットテーブルを使うだけでもこのような分析は可能です。
こちらは支出管理を例にしていますが、営業の案件管理もピボットテーブルで可能ですよ?
ぜひ試してみてください。
◆まとめ 営業PDCAの【D】とは?
実際の営業活動については、「熱意をもって、ガンガンとにかく数多く行動する」のは、まあもっともなのですが、ここまで書いてきたような「後で分析が可能な結果の記録」をちゃんとつけるようにしましょう。
これは、こまかくすればするほど当然、分析の精度は上がりますが、お察しの通り、あんまり細かいと「営業マンが協力してくれません。」
考え方を導入した初期段階で、ある程度ででも、実際の現場営業マンと進捗や分析結果を共有をして、「記録をちゃんと取ることが自分たちにとっても意味ある事」というのを理解をしてもらうようにしましょう。
ともあれ、最終的には【いかにして成果を上げるか、行動量を増やせるか】がキーです。
明日も頑張りましょう!!